イスラームは人びとに知性と観察力を駆使するように教えている。それゆえイスラーム拡大期の僅か数年で、偉大な文明や研究施設が隆盛を見た。東洋思想と西洋思想の統合、新旧思想の統合は医学、数学、物理学、天文学、地質学、建築、芸術、文学、歴史などの学問に多大な進歩をもたらした。代数学、アラビア数字(数学の発展に不可欠であった)、ゼロの概念など多くの重要な学問体系がイスラーム世界から中世ヨーロッパに伝えられた。アストロラーべ(天体観測儀)、四分儀、詳細な航海図などヨーロッパ人の新大陸発見を実現させるに至った精巧な機器はいずれもムスリムが開発したものなのである。
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