イエスは神の命によって奇跡とともに誕生したのである。ちょうど神がアダムを父親なしに存在せしめたように。神はクルアーンの中で言っている。
イエスは預言者として遣わされている間、多くの奇跡を行った。神はイエスの言葉をこう伝えられる。
ムスリムはイエスが十字架にかけられていないと信じている。イエスの敵は彼を十字架にかけようとしたが、神が彼を救い、その御 許に召し上げたのだ。そして神によって別の男にイエスの外見が与えられたのだが、イエスの敵はこの男を捉え、彼をイエスと思い込んで十字架にかけたのである。神はこう言っている。
ムハンマドもイエスも、それ以前の預言者たちにもたらされた、唯一の神に対する信仰という基本的な教義を変えるために遣わされたのではない。むしろそれを確認し、更新するために遣わされたのである。(注1)
_____________________________ 脚注: (注1)ムスリムは、神が
インジール
と呼ばれる聖典をイエスに啓示したことは信じている。その一部は現在においても、イエスに対する神の教えとして新約聖書の中に残存している可能性はある。しかしそれはムスリムが今日存在している聖書を信じているということにはならない。それが神によって啓示された原典そのものではないからである。その内容は改ざん、追加、削除されてきた。The
Holy Bible(Revised Standard Version
:
聖書改定標準版)の改定を担当した委員会もこのことを認めている。この委員会は32人の学者の委員によって構成されていたが、彼らには相互に協力体制にある各教派の50人の代表からなる諮問委員会による検討や助言が準備されていた。委員会は
The Holy Bible
の序文(iv頁)で、こう述べている。「しばしば聖書の原文がその伝達時に被害を被ったのは明らかであるが、しかしいずれの版も十分復元されていない。原典を可能な限り復元するには、優秀な学者の最善の判断に従う他ない。」委員会はまた序文(vii頁)で、こうも述べている。「古代の権威者による重大な変更、追加、削除を示す注釈が加えられている(マタイ
9.34;
マルコ
3.16; 7.4;
ルカ
24.32、51等)。 ホームページ:www.islam-guide.com |