イスラーム国家における市民の生活と財産は、ムスリムであるか否かに関わらず、神聖なものと見なされている。またイスラームは人の名誉を保護する。それゆえイスラームでは他人を侮辱したり、揶揄することは認められない。預言者ムハンマド は言った。{本当にあなたの血、財産、名誉は侵さべからざるものである。}(注1) 人種差別はイスラームでは許されない。クルアーンは次に挙げる節で人間の平等を唱えている。
イスラームは富や権力、人種などの要素を基準に特定の個人や国家を特別視することを禁じている。神は人間を信仰心と敬虔さという点以外においては区別されざるべき平等なものとして創造した。預言者ムハンマドは言った。{人々よ、あなたがたの神は1つであり、あなたがたの祖先(アダム)は1つである。アラブ人が非アラブ人より優れているわけではなく、非アラブ人がアラブ人よりも優れているわけでもない。白い者が黒い者よりも優れているわけではなく、黒い者が白い者より優れているわけでもない。(注3) 敬虔さだけが人を他の者より際立たせるものなのである。} (注4) 今日の人類が直面している大きな問題は人種差別である。 イスラームは正義の宗教である。クルアーンにはこうある。
そしてまた次のように言葉もある。
クルアーンで神が命じているように、ムスリムは憎悪している相手に対してでさえも公正でなければならない。
預言者ムハンマドは言った。{人々よ、不正(注5)に気を付けなさい。不正ゆえに審判の日が暗闇となるからである。} (注6) そして現世で権利(正当に要求できるもの)を得なかった者は、審判の日にそれを受け取る。預言者は言った。{審判の日、権利はそれを当然受け取るべき者に与えられる。(そして間違った行いは是正される) ...} _____________________________ 脚注: (注1)Saheeh
Al-Bukhari(サヒーフ・アル=ブハーリー),
#1739 and Mosnad Ahmad(ムスナド・アフマド),
#2037。 (注2)「主を畏れる者」とは、あらゆる種類の罪を避け、神が命じた全ての善行を行い、神を畏怖し、かつ愛するような者のことである。
(注3)ここで預言者が述べた皮膚の色は譬えである。
その意味するところは、イスラームでは白、黒、黄色など皮膚の色によっての優劣は存在しない、ということである。 (注4)Mosnad
Ahmad(ムスナド・アフマド),
#22978。 (注5)不正とは他人を抑圧したり、公正を害したり、他人に悪行を働いたりすることをいう。 (注6)Mosnad
Ahmad(ムスナド・アフマド),
#5798 and Saheeh Al-Bukhari(サヒーフ・アル=ブハーリー),
#2447。 (注7)Saheeh
Muslim(サヒーフ・ムスリム),
#2582 and Mosnad Ahmad(ムスナド・アフマド),
#7163。 ホームページ www.islam-guide.com |