ローマの民は(アラビア半島から)近接する地において打ち負かされた。だがかれらは敗北の後、数年(3〜9)(注1)の間に勝利するであろう...(クルアーン30:2-4) この戦争について歴史が伝えてくれることに焦点を当ててみよう。History of the Byzantine State(ビザンチン帝国の歴史)という書物によると、ローマ軍が西暦613年アンティキオアで惨敗を喫し、その結果ペルシャ人は全ての戦線を一気に前方へ拡大した。(注2)当時はローマ人がペルシャ人に勝利することなど考えられないことであったが 、クルアーンはローマ人がその敗北後3〜9年の間に勝利すると予言している。ローマ人が敗北してから9年後の622年、ローマ軍とペルシャ軍の両軍はアルメニアの地で相見え、その結果ローマ軍が613年の敗北以来初めて、ペルシャ軍に対して圧倒的な勝利を収めた。(注3)神がクルアーンで述べられたように 、予言は現実になった。 この他にもクルアーンの節や預言者ムハンマドの言葉で、未来の出来事を予言し後に現実化したものは数多くある。 _____________________________ 脚注: (注1)アラビア語の数年(bid'a)は3〜9年を表す。 (注2)History of the Byzantine State(ビザンチン帝国の歴史), Ostrogorsky, p. 95頁。 (注3)History
of the Byzantine State(ビザンチン帝国の歴史),
Ostrogorsky, pp. 100-101 and History of Persia,Sykes,vol.1, pp. 483-484.また
The New Encyclopaedia Britannica, Micropaedia vol.4(新ブリタニカ百科事典、マイクロペイディア第4巻),
p.1036.
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